毎年、楽しみにしてるWEB上のコンテンツを評価するウェブ界のアカデミー賞こと「Webby Awards(ウェビー・アワード)」の投票が4/20までなので、久しぶりに投票に参加。
まずは「Apps, dApps and Software」カテゴリーのApp Features
《Best Use of AI & Machine Learning》エントリーから
「First AI Audiobook made amid war」と表示されているYoutuberのビデオに1票!
このプロジェクトはちょっと複雑です。イギリス在住の2人組みYouTuber、Josh Carrotと親友のOllie Kendal。彼らは「JOLLY」という自分たちのYouTubeチャンネルで活動しているのですが、昨年のJoshの誕生日プレゼントにOllieが仕掛けたサプライズ・プレゼントが、YouTuberならではのプレゼントという実に奇想天外なドッキリプロジェクトでした。OllieがJoshのゴーストライターとなってJoshの自伝を勝手に書き上げ、出版してしまうという大掛かりなサプライズ・バースデー・プレゼントでした。
Ollieの悪ふざけは実に手が込んでいて、思いつく限りの精度で親友の自伝を友人達と勝手に書き上げてしまったのです。今回、Webby Awardにノミネートされたのは、この書籍のオーディオブック版を出版するというプロジェクトにAIの音声クローン技術が使われていたからです。海外のYouTuberはやることが凄いですね。
Ollieは親友Joshと公開してきたYouTubeコンテンツのJoshの音声から、彼の音声パターンを生成、今回のオーディオブック版出版のために、OllieがJoshの代わりに本を自分で読み上げて、その音声データをAIをつかって解析、Joshの音声データと自分の音声データをAIを使って置き換えるという技術を使い、まるでJosh自身がしゃべっているようなAIディープフェイク(deepfake)のオーディオブックを作り上げてしまったのです。
ちょっとややこしいのですが、これには前フリもあります(後述)。このAIディープフェイク音声を作り上げるため、ウクライナのRespeecherという音声クローン技術を持ったテック・ベンチャーと制作。RespeecherはAIがテキストを読み上げるのではなく、スピーチをする人の声を全く別な人の声に置き換える、クローン技術を持っています。今回のプロジェクトではこのAIディープフェイク音声技術のプロジェクトが《Best Use of AI & Machine Learning》にノミネートされたというわけです。
Joshへのサプライズ・バースデー・プレゼント、勝手に親友の自伝を書き上げるエピソードはこちら
さらに、JoshをAI化して共演者にしてしまうプロジェクトも。こちらが、AIディープフェイク・オーディオブックの前フリで、JoshのスピーチをAIを使ってしゃべらせる、Text to Speech版。
最新のテクノロジーを大まじめに楽しむ2人のチャンネルを楽しみました。久しぶりに大笑いしたので2人のチャンネルを登録。ニューヨークピザのエピソードを見て懐かしいノスタルジーに浸ります。基本的にしょーもない内容のエピソードが多そうなのですが、彼らの最新テックトレンドに大まじめに取り組む姿勢に好感が持てますね。彼らのノミネートされたプロジェクトは、4/19日時点で一番人気の票を集めていました。
他のカテゴリーも投票しようと思っていたのですが、思いのほかどのプロジェクトも中身が濃いので、時間があれば追加します。
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